銀魂 画像銀魂ネタバレ。第441話。
自分らしく…
第四百四十一訓 10-1=

ドゴォオ

柳生道場、道場から吹き飛ばされる男の姿

「…生ぬるいそれでも貴様は柳生流…」
「いや   男か」
「全員でかかってこい この柳生十兵衛から一本とってみろ」

男になった十兵衛、柳生道場では以前にもましてその実力をふるっている模様


―世界は まるで何事もなかったかのように回っていた―


いや


―以前よりずっと円滑に回っていた

 そう 僕が女だった頃よりずっと―

ファミレスでお妙と落ち合う十兵衛。
どうやら新八が柳生道場へ出げいこに行きたいという事らしい
万事屋が解散し、新八は道を道場一本に絞ったらしい

「本当はあの三人でまだ万事屋続けたかったんでしょうけど」
「銀子さんがあんなことになってしまってから」
「神楽ちゃんも赤・兎馬春も」

『私が仕えるのは曹操だけだ』
『縁があればまた会う事もあるだろう さらば』

神楽と定春は謎の言葉を残して旅立ち、銀さんは自分探しの旅に出たという。
旧真選組はキャバ嬢に転職し、沖田はあやおと組んでSM倶楽部で天下を取ったらしい
そんな沖田の裏には

「やはりあの娘は金になる」
「吉原にかぶき町…そして江戸中すべての町」
「全ての夜に月は昇る」
「この真・夜王 月雄が三千世界の夜をきらびやかに照らし出してみせる」

なんだかんだで性別が戻らなかった面々も上手くやっているらしい

「私たちは女になろうと男になろうと関係ない」
「変わらず好きかって生きてくだけなんだから」
「だからアナタ達も私たちのことは気にせず」
「好き勝手やりなさい」
「私がこうなってしまった以上」
「お妙を幸せにできるのはアナタしか残ってないんだから」
「でもこれだけは言っておくわよ」
「お妙を…私の友達を泣かせたりしたら」
「タイホしちゃうんだから」

ゴリ子…もとい近藤も、今は友人としてお妙と付き合いがあるらしい


―これが 僕の望んだ世界だった―

何もかも僕の思う通りになっていた

はずだった


なのに

こんなに気が晴れないのは

天気のせいだけじゃないのを…

僕はしっていた


もらったチケットが濡れていたのは

雨のせいだけじゃないのを僕はしっていた


雨の中傘も差さず、ゴリ子から受け取った映画のペアチケットを見つめながら一人町を歩く十兵衛

「お侍さん」

その後ろ姿に、フードをかぶった占い師が声をかける

「よろしければ占いでもいかがですか」

「…悪いが 占いにはもう懲りてるんだ」

「男として生きるべきか女として生きるべきか」
「もう決心はついたワケですか」

「!!」

「なのになぜ浮かない顔を」
「デートの前とは思えませんが」

「…どこの誰だかしらないが」
「僕は男でも…まして女でもないよ」
「自分で災いのタネをまいてみんなを巻き込んでおきながら」
「自分の欲望のために諦めたふりをしてそれを甘受したんだ」
「そうとも知らずにみんな僕を気付かってくれたよ」
「こんな事はへっちゃらだって僕を励ましてくれたよ」
「彼女を泣かせるなだと…笑わせるな」
「泣いていたのはお前の方じゃないか」
「僕は……男らしくなんかない」
「女らしくなんかない」
「ただの卑劣な下種野郎だ」
「散々迷った挙句分かった答えがそれだった」
「だからもう僕を占う必要なんてないんだ」

「また同じ答えが出るとは限りませんよ」
「あなたをさらなる混迷の道に迷いこませてしまうかもしれませんが」
「ここにチケットがもう1枚あります」
「デコボッコ教団の次なる標的となる星…」
「そこへ向かうためのチケットです」
「柳生十兵衛さん もう一度問いましょう」
「そのチケットを選び男のまま生きるか」
「このチケットを選び女の体を取り戻すのか」
「どちらを選んでもきっとあなたはそうして迷い続ける事でしょう」
「でもそれでいいじゃありませんか」
「あなたのなりたかったものはそんなに簡単なものなのですか」
「男らしいとか女らしいとか」
「そんな誰かが勝手につくった価値観があなたの目指していたものだと」
「そんなもので片付く話なら 男も女も そしてあなたも」
「俺も みんなこんなに苦しんで生きちゃいない」

フードをとり、素顔を見せる銀子

「みんな同じだ十兵衛」
「迷って生きてんのはお前だけじゃねぇ」
「男らしいとか女らしいとか」
「ややこしい事はよくわからねぇ」
「だが1つだけ 確かに言えることがある」
「やられっぱなしで終わんのは」
「俺達らしくねぇ」


どこかの星、破壊された衛星の代替兵器を用意し、
布教活動を続けるデコボッコ教団

「地球で衛星を破壊されはしたが私たちはとまらない」
「この新兵器でデコボッコ教の教えを宇宙の果てまで広めるのです」

しかし…

ドオオン

そんな教団を襲う一団が

「バカな 性別が逆転する混乱の中即座に状況を把握し」
「我々に反撃できるものなど居るはずが…」

「いるさ」
「なぜなら彼らは」
「男になろうと女になろうと関係ない」
「男らしく生きるつもりも女らしくいきるつもりも毛頭ない」
「自分らしく 生きようとする者達だからだ」

デコボッコ教を襲撃する九兵衛ら地球からの刺客達

「……妙ちゃん ゴメン」
「僕は…十兵衛なんかじゃない」
「男でも女でもない」
「僕は…僕は」
「10-1は」
「柳生九兵衛だァァァァ!!」



雨の中、映画館の入り口に佇むお妙の姿

「お嬢さん ここんとこ毎日ここにきてるようだが」
「ひょとして待ち人かい」

「いいえ 雨宿りしていただけです」
「でもよかった」
「雨…止んだみたい」

?マークを浮かべる館主の様子を気にするでもなく言葉を続ける

「映画の前売り券を買いたいんですけど」
「こういうデートムービーじゃなくて」
「友達と思い切り笑える奴を」


性別の戻った一向が仲良く映画館に集まり次週へ