ナルト 画像ナルトネタバレ。第624話。
お前の弟を…
「いいか 扉間 これがオレの最期の言葉になるだろう」
「里の皆にも同じように伝えてくれ」
「オレが死んでもマダラは殺すな」
「うちはと千手は今後一切あらそうべからず」
「お前達の親やまだ見ぬ子供たちもこれを誓え」
「さらば」

鎧を脱ぎ捨て、クナイを自身の腹に向ける柱間。
零れた涙にありし日の水面を重ね…

ガ ッ

マダラが起き上がり、柱間の腕を止める

「十分だ」
「お前の根性はよくわかった」

―まるで夢のようだった―
千手とうちはが互いに手を取り合ったのだ
これでもう人々が犠牲になる事もなく
子供達が死ぬこともなくなる…

互いの一族が見守る中、手を握る柱間とマダラ。
その後2つの一族は火の国へ向で忍の里を興す。

―とにかく夢のようだった―

「覚えているか? 子供のころここで話したことを」

「ああ…」

いつかの崖の上、立派になった木の葉隠れの里を見下ろす柱間とマダラ。

「夢だと思ってたけどな…」
「どんだけ望んでも手に入らねェ でも…」

「夢は現実のものとなったじゃろ」
「火の国を影から守る忍の頭領“火影”なんてどうじゃ?」

「なんだそれは?」

「火の国からこの里の長を決めよと要請があっての」

「俺はお前が長になってほしいと思ってる 火影にな」
「お前にはもう兄弟はいないが…」
「この里の忍全てが兄弟だと思えるようになってほしい」
「皆を見守ってほしい」

「オレはうちはの兄弟たちすら守れなかった…」

「話し合ってる時間はないぞ」
「うちは 千手はもちろん 猿飛や志村の一族も我らに加わりたいといってきておる」

「おいおい…本当なのか?」

「それだけではない この里はこれからもっともっと大きくなる」
「そろそろ名を決めるときだと思うんだ」
「何か妙案はあるか?」

「……」

風に待ってやってきた穴の開いた木の葉をみつめるマダラ
その穴から里を見やり

「木の葉隠れの里…なんてどうだ?」

「単純すぎる…ひねりがないぞ…確かによさげでは…」

ずう~んと凹む柱間

「火影だって似たようなもんだろ!!」
「つーかまだそんな落ち込み気質なのかよ!?」


―長い時間がかかったが 俺達はようやく昔の友情を取り戻せたと感じていた―

「火影ってのはずっと里に留まってるもんなのか?」

「ああ だがそれだけではない」
「里が大きくなれば火影も多忙になるだろう」
「だから 俺はこの巨石にお前の顔をほろうと思っている」
「お前がこの村を護っているという証としてな」

「…冗談…だよな…?」

「そんな顔されたら計画を変えるかもな」

ひきつった顔で尋ねるマダラに笑顔で返す柱間。
と…

「ここにいたのか…」
「こんなところで何をサボっている!?」
「火の国の長が話し合いに来るんだぞ!」

「…扉間…」

柱間を呼びに来た扉間、マダラを警戒している様子のその視線に
無言になるマダラ。


「火影!?」
「勝手に決めるな!」

里長の件について、扉間と話し合う柱間。
しかし、扉間は「兄者がなるべきだ」と強く主張する。

「里のみなも うちはの者でさえそう言うはずだ」
「それに兄者もうちはの噂はきいているだろう」
「奴らの憎しみが増せば瞳力も上がる」
「車輪眼がその証だ」
「奴らが何を企てているか知らんのか」
「里に必要なのは…」

「そこまでにしろ扉間!」

カツ…

2人が話し合っていると、何やら外から物音が

立ち上がり、窓を開けてあたりを確認する柱間

「だれかいた様に思うが…」
「扉間 お前はなにか感じなかったか?」

「チャクラの気配は感じていない」
「それより話を変えるな兄者」

「!」

気配は感じないという扉間だが、
窓を空けた柱間は、そこに穴の開いた木の葉を見つける
柱間が木の葉を拾い上げると

ポロっ…

穴の空いていた木の葉は2つに分かれ落ちていく

「皆の多数決できめる」
「異論はないな?」

「ああ それで構わん」

そして、件の岩には柱間の顔が刻まれる




「この石碑は何代も前から伝えられてきたもの」
「他の一族の者に見せるのは初めてだ」
「これは特別でな 解読するには瞳術が必要になっている」

うちはの隠れ家、火影となった柱間と向き合うマダラ

「これを解読できるようになったとき 俺は知った」
「安定を願う一人の神が陰と陽に分割し」
「対極にある2つの力を合わせることで万物を生み出す力となる」
「これは何にでもあてはまる」
「つまりは…2つの対極的な力が手を組めば」
「真の幸福も手に入れられるってことを言ってる」
「だが…他の解釈もあってな」

「…?」

「柱間…俺がなにも知らないと思うか?」

「……」

「扉間はいるが…」
「お前抜きで成し遂げられるとは思っていない…」
「火影の右腕として 我が兄弟として 俺に手を貸してくれ!」
「皆もいずれお前を理解することだろう」

「そうなったとしても その時は既に二代目火影の時代…」
「おそらく扉間がなるだろう」
「そしてもしそうなればうちはは迫害される」
「だから一族の者に里を離れるよう伝えても」
「だれもオレの話に耳を貸そうとしない」
「オレは弟を護れなかった…」
「そしておそらく一族の者達も護れないだろう」
「弟に誓ったのにな…」
「守りたいと思っていた仲間にさえ俺は信じてもらえない」

「それは違う…!」
「みないずれは理解を…

「多分あの時だろう 俺がお前に弟を殺すよう強いたときだ」
「お前は俺を兄弟だといった」
「だが里のために俺か弟を殺すとしたらどうだ?」

「……」

「お前の事は理解しているつもりだ」
「だがこれ以上ここには…」
「オレは里を離れる」
「他の道を探すよ」
「根性比べをしたときに理解したよ」
「協力しあうってのも静かな闘争には違いない」

「そんなことはない!」
「オレは行かせんぞ!」

柱間の話をきこうともせず、背を向けるマダラ

「それはお前次第だ 柱間」
「卑屈さくらいは治しておくんだな」
「世界の楽しい事を見ておいた方がいいと思うぜ」

「おい!聞いているのか!?マダラ!」

「お前は俺に対抗しうる唯一の存在だ」
「俺が真の夢にたどり着くまで… お前との戦いを楽しむことにするよ」

柱間を振り返り、写輪眼を顕現させるマダラで次週へ